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焼き菓子の賞味期限、消費期限の決め方

賞味期限と消費期限の違い

マフィン、クッキー、パウンドケーキなどの「焼き菓子」を包装して販売する時には必ず賞味期限か消費期限のどちらかを表示することが義務付けられています。

 

 

「賞味期限」は”おいしさなどの品質が保たれる期限”の事を言い、賞味期限が切れてしまってもすぐに安全性に問題が発生するとは限りません。5日以上経っても品質が変わらないものに対しては「賞味期限」の表示が出来ます。

対して「消費期限」は”安全に食べられる期限”の事を言い、その期限を過ぎてしまうと腐敗や品質劣化の恐れがあるので食べない方が良いでしょう。およそ5日以内で品質が劣化するものに対しては「消費期限」の表示をする方が望ましいと言えます。

 

市販の焼菓子と手づくりの焼菓子の日持ちについて

市販の焼き菓子は長持ちさせるために様々な工夫が施されているため、家庭で作る焼き菓子よりも日持ちしやすくなっています。

アルコール蒸散剤や脱酸素などの鮮度保持剤をお菓子と一緒に入れて密閉したり、お菓子に食品添加物を入れて保存性を高めたりすることもあり、1ヶ月以上日持ちするものも多くあります。

手作りの焼き菓子の日持ちは作る環境や材料にもよりますが、3日~1週間程度が一般的なので、手づくりされる際はご注意くださいね。

 

 

消費期限・賞味期限の設定方法

厚生労働省・農林水産省「食品期限表示の設定のためのガイドライ ン」によると、賞味期限や消費期限の設定を行う際、”食品の特性に配慮した客観的な項目(指標)の設定”が必要とされています。

客観的な項目(指標)とは、各種試験において数値化することが可能な項目(指標)のことを言います。

 

代表的な試験について

〇理化学試験

食品の製造日からの品質劣化を理化学的分析法により評価するもの。

一般的な指標としては、「粘度/濁度/比重/過酸化物価/酸価/pH/酸度/栄養成分/糖度」等が挙げられ、これらの指標は客観的な指標(数値)として表現することが可能です。

〇微生物試験

食品の製造日からの品質劣化を微生物学的に評価するもの。

一般的指標としては、「一般生菌数/大腸菌群数/大腸菌数/低温細菌残存の有無/芽胞菌の残存の有無」等が挙げられ、これらの指標は客観的な指標(数値)として表現されることが可能です。

〇官能検査

人間の視覚・味覚・嗅覚などの感覚を通して評価するもの。

評価者の体調、時間帯などの多くの要因により影響を受けるため、誤差が生じる可能性が高いと言われています。しかし、指標に対して適当な機器測定法が開発されていない場合や測定機器よりも人間の方が感度が高い場合等には有効的な検査です。

参考:厚生労働省・農林水産省「食品期限表示の設定のためのガイドライ ン」

 

安全係数の設定

食品の特性に応じて各試験により設定された期限に1未満の係数(安全係数と言う)をかけて、客観的な項目(指標)において得られた期限よりも短い期間を設定することが基本です。安全係数は多少誤差があっても食品の劣化が見られない期限を設定する事が多く、6割~8割で考える事が一般的です。

 

 

最後に

消費期限・賞味期限は食品を美味しく食べる為にはもちろんですが、適切に設定することで食品ロスの削減や食中毒防止にも関わります。専門機関で検査を行い設定を行いましょう。

 

参考:厚生労働省・農林水産省「食品期限表示の設定のためのガイドライ ン」

 

公開日:2024年5月24日

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