「カフェを開きたい!」「喫茶店を開きたい!」と思っても、すぐ開業できるかと言うとそうではありません。ただカフェや喫茶店の開業に必須の免許や資格は比較的少ないので、設備を準備して必要な手続きを済ませれば誰でもカフェや喫茶店の経営を始めることができます。
カフェ開業のステップ
1. カフェ?喫茶店?業態を決める
2021年5月31日までは、カフェは「飲食店営業」、喫茶店は「喫茶店営業」に分類されていました。喫茶店営業の業態の場合、飲み物や調理済みの茶菓子などの提供は出来ますが、店内での調理やアルコールの提供は基本的に出来ませんでした。
2021年6月1日からの新制度では「喫茶店営業」の分類が無くなり、「飲食店営業」へ統合されました。既存の喫茶店については許可の更新のタイミングで飲食店営業に移行されるようになります。
なのでカフェ業態でも喫茶店業態でも許可申請は「飲食店営業」になります。以前カフェや喫茶店を経営した事がある方はご注意くださいね。
2. コンセプトを定める
個人で経営するカフェや喫茶店を開業する場合は、コンセプト設定が最も重要となります。
お店の雰囲気やメニューを決める時にはターゲットを想像してそれに沿って進めていくとスムーズでブレないお店を作ることができます。そのターゲットを考える際の指針となるのがコンセプトであり、コンセプトが明確であるほど正確なターゲット像を導くことができます。コンセプトが曖昧だとターゲットがぼやけて様々なイメージをしにくくなり、ターゲットに刺さる店内の演出やメニューを考えることができなくなってしまいます。
例えば「葉巻が吸えるカフェ」というコンセプトにした場合のターゲットは子供ではありませんよね。葉巻を吸っているシーンを想像したら、どんな内装にしたらいいのかイメージしやすくなります。また、葉巻に合うドリンクやフードは何だろう・・・と考えていけば、おのずと「葉巻を吸う人が行きたくなるカフェ」が出来上がっていくでしょう。目的を持って来てもらえるカフェはリピーターが出来やすいのです。
このようにコンセプトをしっかりと定めることで、開業までも開業してからもスムーズに経営することができるでしょう。
3. 運転資金を準備する
開業資金だけでなく、数年先の運転資金も充分用意しておくと安心です。カフェは客単価や顧客の回転率が低いため、開業直後からすぐに収益が安定させるのは非常に難しいです。具体的には物件賃料の10ヶ月分程度の予備の資金を準備しておくと安心でしょう。
4. お店を開く場所を決める
お店の立地は、カフェや喫茶店の集客成功に大きく関わる最重要項目です。飲食店の経営を成功させる要素の「7割が立地」と言われるほどです。ただ、必ずしも好立地がベストとは限りません。好立地はメリットが多い反面、競争店も多くて家賃も高い傾向にあるからです。予算計画と照らし合わせながら、決定したコンセプトやターゲットとしている客層に適した場所を探しましょう。
5. 提供するメニューを考える
場所と同じくコンセプトに適したメニューを開発しましょう。 ただし、開業直後はメニューを必要最低限に絞ることをおすすめします。最初からメニューを増やし過ぎるとその分の仕入れコストや調理の手間、人件費などのリソースがかかります。また来店客数や注文の傾向がまだ分からないので機会ロスや廃棄ロスが多く出てしまう恐れがあります。お客様も増えてきて経営が軌道に乗ってきてから徐々にメニューを増やしていく方が安全でしょう。
6. 必要な備品を用意する
店舗の改装や経営に必要な備品の準備も行う必要があります。冷蔵庫やオーブンなどの厨房備品のほかに照明、収納棚などの内装備品、顧客用のテーブルや椅子、食器、店内装飾用のインテリアまで準備を行います。メニュー表や店頭の看板などもお忘れなく。他にもGoogleMapに店舗情報を登録したり、SNSのアカウントを開設して情報を発信することで商圏外のお客様にもお店を知ってもらう事ができます。
7. 必要な免許や資格を取得、届出をする
【食品衛生責任者】
カフェや喫茶店など、飲食店を開業するためには、食品衛生責任者の資格が必要です。この資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催する講習を受講することで取得できます。複数の店舗を経営する場合は、各店舗に必ず1人の食品衛生責任者を配置する必要があります。ただし、栄養士や調理師免許を持っている場合は、この講習を受講する必要はありません。
【飲食店営業許可証】
飲食店を経営する際には、飲食店営業許可証の取得が欠かせません。この許可証を取得するためには、保健所に申請書を提出し、審査を通過する必要があります。店舗設備などには細かな規定があるため、事前に保健所に計画書を持参して相談しておくことが重要です。
【開業届】
個人事業主としてカフェを開業する場合は、税務署に開業届を提出する必要があります。開業から1ヶ月以内に、管轄の税務署に必要書類を提出してください。
その他、場合によっては以下の届出が必要になる場合もあります。
・「菓子製造業許可申請」
・「防火管理者」
・「深夜酒類提供飲食店営業開始届出」
・「コーヒー豆の製造・加工業の届出」
必要な免許や資格、届出は、店舗の規模や業務形態によって異なるため、事前に管轄の保健所や消防署で確認や相談をしておくことをお勧めします。
保健所の管轄区域は厚生労働省のウェブサイトから確認できます。
厚生労働省ホームページ「保健所管轄区域案内」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/hokenjo/
8. 開業する
開業の準備が整ったらカフェを開業しましょう!
カフェや喫茶店は未経験の方でも比較的開業しやすいのがメリットです。しかし経営を安定させるためには綿密な事前準備が必要です。事前準備をしっかりと整えることで思い描いた通りのカフェ・喫茶店の経営がしやすくなります。
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公開日:2024年4月30日